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元国際線客室乗務員のココロ覚え

海外ドラマ☆ 「明日、私も死ぬわ」と言う母親を、息子はなぜそんなに嫌いになってしまったのか…“マイ・マザー/I killed my mother”

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皆さん、こんにちは。
今日は、当時19歳だったグザヴィエ・ドラン監督の初監督作品、“マイ・マザー/I killed my mother”をご紹介します。
この作品は、カンヌ映画祭で三冠を達成し、グザヴィエ・ドラン監督が鮮烈なデビューを飾った作品でもあります。

私がなぜこの作品を観ようと思ったのか…、それは、前回ご紹介させて頂いた、私が大好きな俳優、フランソワ・アルノーさんの出演作品だったからです。
更に、全編フランス語なので、母国語を話すフランソワ・アルノーさんを見たかったという理由もあります。

タイトルがタイトルなので、母親を殺めてしまうシーンが出てくるのではとドキドキしていましたが、そういうシーンは無く、アートを使っての映像美や音楽など、全体的にフレンチの優雅さが漂う映画でした。

グザヴィエ・ドラン監督は、主人公のユベールを演じていますが、端正な顔立ちの美青年だなぁという印象が強く残りました。
彼が母親へぶつける感情はとても複雑で、思春期ならではの親への苛立ちや嫌悪感、そして愛情がよく表れていましたが、私は、この主人公ユベールの母親を見ていて、果たして、殺したいほど嫌で、許せない、耐えられない存在なのだろうか…と思ってしまいました。

このストーリーの中で、癒しとなる存在は2人います。

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1人は、同性愛者ユベールの交際相手、フランソワ・アルノー演じるアントナンです。
いつも穏やかに明るく接してくれるアントナンといる時のユベールは、心穏やかで楽しそうにしています。アントナンの母親は、息子の前で裸の新恋人を披露したりと、なかなかの型破りな女性ですが、明るく愛情深く、息子アントナンの同性愛に対しても理解があります。
この母子がとても仲良しで、その絡み方を見ていてほっこりしました。

もう1人は、ユベールの担任の女性教師、ジュリーです。
ユベールの母親が教室に乗り込んで来た時も、ユベールが寄宿学校へ転校させられた時も、家に入れなかった時も、彼に何度も手を差し伸べてくれます。

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印象的だったシーンは、アントナンの母親にオフィスの改装を頼まれて、ユベールとアントナンの2人が、壁にペンキを投げて模様を作る“ドリッピング”をするシーンです。
ペンキのカラフルさと、激しい音楽がとても印象的な中、2人の絡みのシーンが倍速で表現されています。

そして、一番心に残ったセリフは、寄宿学校へ向かうために、ユベールをバス停へ送っていくシーンでユベールの母親が言うセリフです。
母親とユベールが、バスに乗る前に、口論、と言っても一方的にユベールが、寄宿学校へいれられることや、母親の言動への怒りから、暴言をぶつけます。
そして、母親に、「今日、僕が死んだら?」と問いかけます。
彼女の返事を聞く前にバスへ向かうユベールの後ろ姿に向かって、
母親は、「明日、私も死ぬわ」と言うのです。

この母親のセリフに胸がとても熱くなりました。
息子にどんなに嫌がられようと拒絶されようと、心の底から深く我が子を愛しているからこそ出た、愛情に満ちたセリフなのだなと。

フランソワ・アルノーさんの優しくて穏やかな恋人役もとても素敵でした。

心が揺さぶられるこの映画、“マイ・マザー/I killed my mother”、機会がありましたらぜひ観て頂きたいです。

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